頑張ることが正しい。
助けを求めるのは弱さ。
人に迷惑をかけてはいけない。
そんなふうに思い込んで、一人で抱え込んでいませんか?
家族のことを優先して、仕事も家事も頑張る。疲れていても、今日やるべきことは今日のうちに。誰かに頼むくらいなら、自分でやったほうが早い。
そんな毎日を当たり前にしていると、いつの間にか自分のことは後回しになってしまいます。
ライフオーガナイズから始まり、ウェルビーイングや中庸という考え方を知り、ライフオーガナイザーとして学んできたこと。それは「楽していい」「助けていい」「苦しいふりをしなくていい」という、人として当然の権利でした。
これは、捨てることから始めないお片づけにも通じる道です。
休まないこと、頑張ることが正解だと思っていた過去の私が、どうやってその思い込みと向き合ってきたのか。今日は、そんな心の変遷をシェアします。
世界はずっと優しかった。気づいていなかったのは私だった
ネガティブな気持ちも、ポジティブな気持ちも、どちらを感じるのも当たり前のこと。どちらか一方に偏りすぎると、心の負担になることがあります。
例えば、高校生のときに海外留学をした私の経験ですが、ホームステイ先の近所に同い年の女の子がいました。
はじめて話す時、彼女は私に向かって、小さな子どもを相手にするかのように、単語一つ一つを区切って口の形を見せながら、分かりやすく発音してくれたんです。
そのときの私の気持ちは、恥ずかしさと腹立たしさ。英語がおぼつかない私を思って親切にしてくれたのに、腹が立ってムカッとしたんですよね。
ムカムカしながらホストファミリーの家に戻り、ソファに座ってドリンクを飲んでいたとき、ふと思い出しました。
留学初日から、特別扱いせずに大人として接してくれたホストファミリーには、ずっとこんなふうにゆっくり話してほしいと思っていた。
なのに、同い年の女の子に同じようにされると、どうしてこんなに腹が立つんだろう。
考えてみると、近所の女の子には年が近いからこそ、同じ目線で接してほしかったんですよね。
でも、よく考えたら、初日にホストファミリーから特別扱いされなくて頭から湯気が出ていたときも、慣れた頃に近所の女の子から特別扱いされて腹が立ったときも、どちらも私のことを思ってくれていたんじゃないのか。
この真逆の行動は、どちらも優しさだった。
今までネガティブにしか見えていなかったことが、ポジティブにも見え始めた。私にとって、まさに目からウロコが落ちた瞬間でした。
もうひとつ。その海外生活では午前中が英語の授業で通学していたのですが、日本人だけじゃなく色んな国の生徒がいました。
一緒に留学した日本人生徒とはクラスが離れてしまい、初日は人見知りを発動。誰とも目を合わせず、教室の自分の席に座っていました。
すると、誰も話しかけてくれません。
「私、仲間外れにされてる!」そう感じていたのですが、本当は違いました。
後になって分かったのですが、クラスメートたちは、私の態度を見て「来たばかりだし、今はそっとしておいてほしいのかな。話しかけないでほしいんだな」と察して、あえて距離を置いてくれていたのです。
世界は、ずーっと優しかった。ただ、私の心のフィルターが違っていただけだった。
助けを求めたら怒られた。でも、楽になったら喜ばれた
学生時代からの付き合いで、シングルマザーになった友人がいます。
彼女はアメリカに住んでいて、子どもたちが18歳になるまで、朝も昼も夜も全部働いて尽くすんだと言っていました。ところが下の子が2歳のとき、18歳になるまであと16年もあると気づいた。そこで精神的にも肉体的にもギブアップがきたそうです。
彼女は当時、「子どものためではなく、自分のために生きるシングルマザーになる」と言いました。
それから数ヶ月後、アメリカ人女性に怒られたんだよ、と報告メールが届きました。
子ども3人いて貯金を使い果たし経済的に立ち行かなくなってようやく支援団体にアクセスしたそう。そこで彼女は、日本人らしい低姿勢でこう申し出ました。
パートの仕事以外は自分の持つ時間の99%を掃除洗濯、料理と子どものお世話に使っています。それでお金が足りなくなりました。ごめんなさい、子どもたちの分だけでいいので助けてください。
すると「いったいあなたは何をしてるのか。来るのが遅すぎる」と怒られたのだそう。一層小さくなる彼女に、その女性は怒りながら、大量の冷凍食品や缶詰などの物資を袋に詰めてくれた。
翌週、お礼に行き「おかげでとても楽ができました」と伝えると、その女性が満面の笑顔で褒めてくれたのだけど、その場にいたスタッフたちも踊りだすように(いかにもアメリカっぽい!)喜んでくれたのだそう。
友人は、自分が助けてと言ったから周りが幸せになったと気づいたと教えてくれました。助けを求めることって悪いことじゃないんですよね。
人生どん底の一歩前で助けを求めたおかげで再起するまでは意外と早かったし、気力も体力も味方してくれた。早めに助けを求めるほうが周りのためでもあると思う。
彼女はそう話していました。
私たちも、誰かに頼ることに申し訳なさを感じたり、助けてもらった分、もっと頑張らなければと思ったりすることはありませんか?
でも、本当に相手が望んでいるのは、あなたが無理を続けることなのでしょうか。
助けてもらったからって、もっと頑張らなくていい
誰かに助けてもらったら、なんとなく「助けてもらったんだから、もっと頑張らなければならない」と感じることもありました。本当はとっても楽になっているのに、そう見せてはいけないような気がして。
でも違ったんです。「おかげで楽になりました」と伝えると周りの人も喜んでくれる。
子どもの頃に「意地悪はダメ」「人を傷つけちゃダメ」と教わりますが、自分で自分を傷つけるのもダメとは教わりませんでした。
誰かひとりの犠牲の上に成り立つ平和なんてない。
仕事も家庭も同じです。誰かが無理をして成り立たせるのではなく、みんなが無理なく回せる仕組みを一緒に考えていく必要があるんですよね。
家事は毎日100点じゃなくていい。ゆるく回す仕組み
わが家では私が体調を崩したことをきっかけに、食事の後片付けは毎日夫の役割になりました。
ある日、キッチンのシンクには食器やフライパンが山積み。でも夫も疲れがMAX、ということがありました。
そこで私がひと言。
「明日の朝でいいんじゃない。今日はもうおしまい」
夫は、しばらくは納得いかない顔をしていましたが、翌朝はさくっと食器洗いをしていました。あきらめていつもより早くベッドに入ったことで少しは体力が回復しテキパキと片づけられたようでした。
昭和の時代だったら、よき妻として食器を片づけないまま寝るだなんて許されないイメージじゃないですか?
でもそれって作り上げられたイメージですよね。夫も、食器の後片づけを翌日に回すなんてだらしないと思っていたようですが、疲れが溜まった状態で頑張るより、しっかり睡眠を取った翌朝のほうが、実は効率が上がると気づいたようです。
以前、わたしが食器の方づけをしていたとき、似たような場面で「明日でいいよ」と促してくれたことのある夫ですが、人にはそう言えても、いざ自分のことになると厳しくなってしまうんですよね。
だからこそ、家族みんなで「今日はここまで」と決められる仕組みがあるといい。
毎日完璧にこなすことより、無理なく続けられることのほうが大切だと思っています。
家族の希望ばかり聞いて、自分の食べたいものを忘れていませんか?
お片づけの作業に伺うと、常に食材があふれているおうちがよくあります。「お料理がお好きなんですね」と言うと、違うといいます。よく聞くと、家族の希望に応えるために食材を用意しているとのことでした。
ごはんを作るのが好きだったり得意ならいいのですが、食材があふれていると期限切れになったり傷むことも出てきますよね。ご本人も困っている様子でした。
私が提案したのは「今日のごはん何が食べたい?」と、子どもに聞くのをやめてみてください、ということ。
毎回、家族の希望を聞いてあげるのは、よき母のように見えるかもしれません。でも、いつも家族に合わせることが当たり前になっているなら、少しだけ変えてみてもいいと思うんです。
家族のために食事を用意することは大切。でも、お母さん自身が何を食べたいのかも、同じくらい大切です。
たまには自分が食べたいものを作って、「これ、美味しいから食べて」と言ってみる。
家族に合わせることだけが優しさではありません。自分の気持ちも大切にすること。それも、暮らしを心地よくするための一歩です。
楽していい。助けていい。ちゃんと休んでいい
ストレスを溜めながら働いていたり、自分のやりたいこともできずに一日が終わってしまったり、プライベートを後回しにしていたり、いろいろ全部背負っている人は、少なくないと思います。
休む=睡眠と思うでしょ?
でも、横になっていても頭の中では仕事や家族のことを考え続けている。身体は休んでいても、心が休まっていない。そんなことはありませんか?
身体を休めることと、心が休まることは、必ずしも同じではありません。だからこそ、毎日の中に自分が楽しめる時間や、気持ちが軽くなる仕組みをつくっておくことも大切だと思っています。
私にとっては、楽しく働くこともそのひとつ。
「楽しく」というのは、いつも笑顔で頑張るという意味ではありません。自分なりの楽しみを見つけたり、無理なく続けられる方法を選んだりすることです。
ライフオーガナイズでは、何を持っているか、どう収納するかだけでなく、自分にとって何が大切なのか、どんな暮らし方が心地よいのかを考えます。
だから、お片づけも捨てることから始めなくていい。
家事を全部終わらせなくてもいい。
誰かに助けてもらってもいい。
自分の気持ちを後回しにしなくてもいい。
今の自分にとって、何が負担になっているのか。
どうしたら少し楽になるのか。
誰かに頼れることはないか。
そんなことを一つずつ考えながら、自分に合った暮らしの仕組みをつくっていけばいいと思っています。
楽していい。
助けていい。
苦しいふりをしなくていい。
頑張ることだけが正解じゃない。自分を犠牲にしなくても、暮らしは整えられる。
もっと自分に優しい暮らし方を、一緒に見つけていきませんか。
広島市のライフオーガナイザー®️木原ことの
このブログでは、思考・暮らし・デジタルの整理をライフオーガナイズを使った私の見方で書いています。
利き脳を取り入れたライフオーガナイズは、自分に合った片づけの方法を見つけられる!
と片づけがニガテな方にこそ支持されている、人が主役の優しい片づけ方。
私はライフオーガナイズに出会い「本当の自分はどう感じている?」と、常に自分の心に問いかけることで、とても楽に生きることができるようになりました。
ライフオーガナイズでものごとを俯瞰し、暮らしと仕事の動線をつなげることで、あなたらしさを活かすことができます。
「最近、オーガナイズした?」「昨日したよ。私のやり方はね……」
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