先日、家電量販店で何気なくスマホカバーを手に取ると、メイドインPRCと書いてありました。PRC = People’s Republic of China =中国産=Made in Chinaということだそう。売れ行きを考えての新しいワードなのでしょうか。
良いモノを安く買うのが賢い、は昭和の考え?
まさにその昔、母から何度も何度も繰り返し聞かされた言葉。
良いモノをいかに安く買うか。
だから百貨店のシーズン毎のセールは欠かさない。
だけど、私が大人になり、ファストファッションが現れると、この考えは適さないのでは、と考えるようになりました。もともと工夫して低価格で作られた良いモノを、さらに安く‥それは不毛な価格競争でしかないと。
安いとたくさん買うことが出来る。でも、、
多くのモノに囲まれる暮らしこそが幸せ、というこれまでの考え方に対して、ミニマリスト、シンプリスト、というワードを聞くようになり、今では多くの人に認知されています。「多すぎるモノに囲まれることに疲れた」という声を片づけサポートに申し込み頂くお客様から聞いたこともあります。
流行に合わせて洋服を買い換えたり、買い足したり。
それでもやっぱり、買うという行為には人をハイにする力があります。「どうしても欲しいモノを手に入れた」だけでなく、「お得だった」「他店より安かった」「コーディネートが増えた」などなど、買うための理由はたくさんあります。
だけど、家に帰って戦利品と向き合って初めて「どうしてあの時、これを買ってしまったんだろう」「でも、よく似合っていたし、最後の一枚だったから」そんなふうに思ったことはオシャレを気にする人なら誰でもあるのでは?と思います。
流行に合わせて洋服をいともカンタンに取り換えられる今の生活って、本当に豊かなのかな?
ファストファッション=大量生産
いわゆる大量生産のおかげで、ありがたいことにモノは買いやすくなりました。
だけど、そんな商品は、それまでのモノに比べて、簡単に捨てても替えがある、価値が低いモノのように扱われています。
もっと安く、を突き詰めたその先には価格競争があります。品質を下げずに価格だけを下げるには、工場で働く人の賃金を下げることに繋がります。そして同じ国内での競争が一定の水準に達すると、次はより賃金の安い国へ発注されることになります。それまでの国では仕事が失われ、新しい国では過酷な労働環境の下で働く人たちがいます。
環境への負担もあります。限りある資源をいつまでも潤沢に使えるわけはなく、また、毎日捨てられるものをどう処理し、そのコストをどう負担するかも問題です。こういった問題は、私たちの大切な環境や健康問題に繋がります。
買わない選択肢は解決にならない
ではファストファッションを買わなければ解決するのでしょうか。
もし、とある工場で作られた洋服を買わなくなったら、工場への注文が減って、働く人のお給料が下がり、いずれ仕事がなくなってしまう可能性もあります。
そうではなく、私たちに出来ることは、例えば3,990円で売られていたジーンズの価格を、10円でもいいから値上げすることを受け入れるかどうか、ではないでしょうか。
その10円が、現地の人たちのお給料や労働環境の改善に使われれば、きっと大きな10円になります。
まずは知る、そして考える。
大量生産って、スゴイ技術。生産されたモノを運ぶ輸送力。人やモノを繋ぐネットの力。こんな素晴らしい技術を活かすもコロスも私たち次第。
この安い洋服は、どこでどうやって作られているのか。買われることのなかった洋服は、その後どんなふうに廃棄されるのか。
良いモノを、安くの時代は終わり、これからは良いモノを適正な価格で買う。
そうやって過ごしていきたいなぁ、と考えています。
写真はチャリティーバザーの会場であるホテルのロビーにて。久しぶりにバザーなるもので人の熱気に触れ、帰り道、思ったことを記事にしました。
広島市のライフオーガナイザー®️エバーノートマスター|木原ことの